翼にあるトゲトゲってなーに?
最近は飛行機に乗る時、事前に座席の指定ができますが、皆さんはどの席に座りますか?
機体の前方?それとも後方??景色を楽しむべく窓際?もしくは、通路に出やすい通路側?
様々な好みがあると思いますが、次に主翼のそばに座る事があったら、この話を思い出してください。
目次
ボーっと翼を眺めていると、、、
外の景色を見ようと窓の外をのぞいた時、このように綺麗な空が見えますよね?
おや?景色を見ていると、
翼の前あたりに何やらトゲトゲした突起物が?!
よくわからない方もおられますか?さらに寄ってみるとこんな感じです。
この写真では4つの並びが2組並んでいますね?
果たしてこれは何なのでしょうか???
飛行機の翼の仕組み
この話に入る前に、飛行機の翼の仕組みを簡単に触れたいと思います。
飛行機が浮かび上がる理由は、翼を流れる空気の流れのおかげなのです。
こうやって外を見て一見何もない翼の上に見えない空気が超高速で流れています。この流れる空気によって持ち上げる力、いわゆる”揚力”が発生し飛行機が飛ぶことができるのです。
さて、この”空気の流れ”にも2種類あり「層流」と「乱流」に分けられます。
「層流」とは?
層流とは文字通り層になっている流れです。層になっていて乱れなく綺麗に流れているという意味です。
身近な例に例えてみると、「川の流れ」です。流れる川をイメージしてみてください。岩などがあれば、そこだけ流れが乱れますが、何も障害物のない、幅の広い川の流れは、乱れなく綺麗に流れていますよね?
「乱流」とは?
乱流とは先ほどの層流と逆で、乱れのある流れの事です。川の流れをイメージすると、ところどころ渦を巻きながら流れている流れの部分の事をいいます。
これらの流れが翼にどう影響するの?
ここで少し難しい話をします。
空気(気体)や水(液体)これらを流体と呼びます。この流体には物体に沿って流れる
”粘性”という性質があります。※この粘性という性質のについて、詳しい話は省略します。
先ほど、飛行機が飛ぶためには翼の上に空気が流れる必要があります。
この流れ方が大切で、
最初から最後まで翼に張り付くように一定に流れてくれないと困るのです。
実は、この粘性という性質、
乱流のほうが強いのです。
言い換えて言えば、乱流のほうが翼にへばりついて流れてくれます。
さて、さきほどお話しした川の流れを思い出してください。
ところどころ渦を巻きながら流れているのが乱流でしたね?
翼の上で川の流れをイメージしてください!!
さてここで先ほどと同じ写真を見てください。
翼の上にうまく空気を張り付かせて流すために、翼の前方部に川で例えると
岩
のような突起を置いてそこで乱流を発生させているのです。
ちなみにこの突起の名前を
”Vortex Generator” ヴォルテックス・ジェネレーター
と言います!!
では、全体にトゲトゲをつけたら??
ここで疑問が出てきますね?なぜ全体に付けないのでしょうか?
翼の上の空気は乱れすぎていても流れる効率が悪いのです。
乱流ばかりだと、翼の上面の空気がうまく流れません。
乱流と層流のバランスがうまく取れる兼ね合いを計算され、場所と個数が決定されているのです。
最後に
さて、今回は多少複雑な説明になりましたがいかがでしたか?
次回飛行機に乗られた際は、ぜひ”主翼に流れる川”をボーっと眺めてみてください!!